片付けのチャンスと絶望 夫の突然の入院(前編)
ため込み症の夫の突然の検査入院
先日突然に夫から、「検査入院をすることになった」と告げられました。
夫のいない間に少しでも物を処分し、片付けることができると私は内心小躍りしたいほど喜んでいました。
ため込み症の夫は2年前に退職し、暴飲暴食の上に運動しない生活が続いたため、持病が急速に悪化したのでしょう。
何よりも悪いと思われるのは、最近かかりつけの医者に行っておらず、飲むべき薬も飲んでいなかったようなのです。
お医者に行かない理由は、「お金がもったいない」「食事や生活習慣を見直すよう行くたびに言われるのが嫌」と言うあたりでしょうか。
私たち夫婦は会話がないですから詳細は分からないのですが、突然「入院することになったから同意書を書いて欲しい」と夫から用紙を渡されたのでした。
いつから入院で期間はどのくらいか尋ねると、3週間ほど先の予定で、期間は2週間とのこと。
「久々に夫がいないのだから、仕事も休んで部屋を片付けよう」同意書にサインしながら、早くも私はそう考えていました。
久々に夫のいない時間ができるのが嬉しい気持ちを表に出ないよう隠しながら、入院日までわくわくして過ごしたのでした。
そしていよいよ入院予定日、夕方仕事を終え帰宅すると、予定通り夫はいませんでした。
「やったー!」嬉しさのあまり思わず叫んで、仕事の疲れも吹き飛んでしまいました。
夫婦仲の良い方にはこの気持ちは解っていただけないかもしれませんね。笑
ため込み症の夫以外の家族にとっては、物に埋もれる我が家は非常に深刻な悩みなのです。
2週間夫が入院している間に、できる限り片付けて、夫にバレない程度に物を捨ててしまおうと私は意気込んでいました。
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「何も捨てられない」絶望感
いつもの週末なら仕事が休みでも、夫が起き出してくる前に外出しなくては!と、ゆっくりできない休日を私は過ごしているのです。
夫がリビングにいるだけで、私は息が詰まり気持ちが休まりません。いつしか私はサイクリングなどを趣味にして、なるべく家を出て夫と会わないようにしているのです。
ですが夫が家にいないとなれば…
私だって本当は休みの日くらい家でゆっくりくつろぎたい!!
悲しいかな、くつろげる場所などありませんが、夫に妙な気遣いは要りません。

くつろぐ場所のない現在のリビングルームの様子
いえいえ、この貴重な夫の入院期間にくつろいでいる場合ではないのです。
片付けなければ!!
普段夫がいて出来ないことや、見ることのできない場所も見てみなければ!!
早速私はこの日のために取り寄せた、強力なパイプクリーナー剤をあちこちの排水管に流したり、キッチンのあれやこれやもひっくり返して普段夫がいるとできない清掃作業に取り掛かりました。
朝から晩までフル回転で動き回って1日目は終わり、クタクタに疲れましたが、充実感はありました。
そして2日目の日曜日、まず取り掛かろうと思ったのはベランダでした。

ぎっしり積まれたモノは雨風にさらされ日光で次第にボロボロになる
積み上がったモノの中から、さて、どれを捨てようかとじっくり見てみました。
破れかけた紙袋にいろんなモノがごちゃごちゃと入っていて、積み上げられたプラスティックケースには「細かい何か」が無数に入っています。
このベランダは洗濯物をたくさん干せるように、屋根をつけてもらったのですが、積まれた大量のモノ達が占領している状態です。
日光を毎日浴びて、プラスティックはボロボロになりますし、布などは色が抜けていて、改めてよく見ると置いてある物の劣化は激しいものでした。
いずれはベランダに置いているものは全てダメになるでしょうし、そもそも使うことのない捨てても誰も困らないモノばかりなのです。
ためこみ症の夫は、空いている空間をそのまま置いておくことはできず、あれやこれやと家中の空いているスペースを埋めています。
ため込まれたモノの量は膨大なのですが、夫は驚くほど何があるか良く覚えていますし、私にとっては価値はなくても夫にとっては宝物らしいのです。
見れば見るほど「これは捨ててもいいものか?バレないものだろうか?」解らなくなってきました。
時間だけが過ぎていき、ますますどれも捨てられそうにない、と私は一気に暗い気持ちになってしまいました。
ふと上をみると分厚いポストカード入れが、無造作に置いてあります。
何がなんでも一つくらいは処分したい、とムキになってそれを手に取ったのですが、カラだと思ったそれにはぎっしりポストカードが入っていたのです。

ずっとカラだと思っていたポストカードケースは夫の集めたカードがぎっしり
1枚1枚夫が集めたものかもしれないと思うと、「どこに行った?」と問い詰められそうで、やはり捨てられません。
ベランダを諦めた私は、その次にリビングに目を移しました。
物が山積みになり床は見えず、紙袋やビニール袋、ポーチや手提げカバンの中に細かなモノがパンパンに入っています。
文房具から電気小物、食品や美容小物など雑多なモノがごちゃごちゃ大量に混ざっているのです。

紙袋の中にはいろんなモノがぎっしりと詰まっていて分別が困難である。
分別しなければいけないの?など考えると結局何も捨てられず、私は空のままの大きなゴミ袋を手に、ただただ絶望を感じ呆然とするばかりでした。
片付けるぞー!と張り切っていた私は、その日の午後には気持ちが暗く沈んで、ぐったり疲れてしまいました。
この貴重な夫の入院期間の間、私は何一つ捨てることはできないだろうと思うと、虚しさのあまり吐き気がしてきました。
思いがけない威力で、私は「片付けられない」という絶望感に襲われたのでした。
(後半へ続きます)


コメント
こんにちは。記事を読ませて頂きました。私の夫もモノを大量に所有し捨てると怒る、不要品を様々な方法出集めてくるなど思い当たる節があり、ため込み症ではないかと疑い始めています。50代夫婦でまだ2人とも現役で働いていて、2人の子供は社会人になりました。
リビングにモノが溢れ、生活に支障が出るほどではないのですが、壁にぶら下げて自分なりに飾り物を置いている様はtikutakuさんのご主人と同じだな、と感じました。夫は溜め込んだものの中からこれはと思うモノに自分で見切りをつけられたモノについては片付けてくれるので、ため込み症ではない?または軽度なのでは?と思いますが本人には自覚はなく困っている様子もありません。
私も密かに離婚を考えている1人です。
みんみんさん、こんばんは。コメント拝見させていただきました。ご主人もモノを集めておられるとのことで軽度とはいえストレスの多い日々を過ごしていらっしゃると思います。大変な中子育ても終えられ、いよいよご夫婦向き合う時間も増えてくるかと思います。離婚も考えておられるとのことで、きっとモノを溜め込む以外にも何か思うところがあるのでしょうね?まだお互いに相手を気遣うところが残っているならまだまだ関係を改善していく余地はあると思います。モノが多いのは困りますがもっと悲しいのは夫婦がお互いに思いやりの気持ちを持てないことだと私自身は痛感し離婚に踏み切りました。みんみんさんも毎日大変だと思いますがご自分を大切にしながら過ごしていくうちにこのさきの方向が見えてくるのではないかと思います。陰ながら応援していますね。
お返事ありがとうございます。聞いて下さりありがとうございます。私も職場では普通の家庭を営んでいる人、を装っていますし、友達にもあまり言えないので同じ様な悩みを聞いて頂く場所があり救われます。正におっしゃる通りです。夫は何事も相談なく物事を決めてしまう事が多く、その事でたくさん喧嘩もしました。勝手に車を買い替えたり、リフォームの契約を相談なく進めていたり…その中の一つに勝手にものを貰ったり増やしたりリビングに私の好みでない飾り物を置きまくったり、というのがあります。子育てにも協力的でしたし、思いやりもある人なのですが、歳を重ねる事に頑固さが増して、歩み寄るのが難しくなってきました。これからどうしていくか、これから自分の人生をどう生きていくか考えて行きたい思います。
tikutakuさんも、大変な思いを長年されていたのですね。一大決心、とても尊敬します。大切な息子さんと仲良く、これからは自分の為に人生を歩んでくださいね!
また、私の近況もお知らせします。