ためこみ症

ためこみ症は治らない|一緒に暮らすか離れるか?家族の悩み

ため込み症の夫のモノで埋まるリビング ためこみ症

家族の中にため込み症の人がいると、家中が溜め込んだ物に埋まってしまい、一緒に暮らす家族は大変悩みます。

このまま一緒に暮らしていけるのか?

私は重度のため込み症の夫と30年近く共に暮らし、深く悩み続けた末に離婚する決断に至りました。

その経験を踏まえ、ため込み症の家族との暮らしにどう折り合いをつけるか、考えてみたいと思います。

ため込み症の家族との暮らしの全体像は、こちらのまとめ記事を是非ご覧ください↓

大量の物に埋もれるリスクとは

家中のコンセントに大量の機器がタコ足配線で繋がれ、これが大量の物に埋まっている…これは私が暮らした家の状態でした。

延長コードにさらにタコ足配線されている我が家のコンセント

家中のコンセント差し込み口はタコ足配線されたまま物に埋まっている。

そのために常に私は火事になることを恐れ、夜中にふと気になり眠れない日が多くありました。

もし火事になったら、この窓から隣の家の屋根に登るようにと、子どもたちには常日頃から意識付けしてきました。

ため込み状態がまだ軽いうちに、家中のコンセントの位置や状態を確認しておく、なるべくその周りの物を避けておくということは、私自身できずに後悔したことのひとつです。

そんなに大量の物に埋もれるということも予想できませんでしたが、もし家族の中にため込み症かなと思う方がいるなら、まだため込みが進まないうちに部屋の写真(コンセント差し込み口や、ガス栓の位置がわかるように)を撮っておくことをお勧めします。

あの辺にコンセントの差し込み口があったなあと、ぼんやりとは覚えているのですが、床から1メートルも物で埋まると、もうそれが一体どこなのかわからなくなります。

台所に溜め込んだ物にも、コンロの火が燃え移る可能性があり、こまめに物を移動させ安全を図らねばなりません。

火事になる可能性が大きいということは、命にも関わる大きなリスクです。

その他のリスクとして、冷蔵庫にも古い食品が詰め込まれ(または詰め込んだ食品が古くなる)、食材にも注意が必要です。

物が多すぎて部屋の掃除もままならず、不衛生になることは、心身ともに悪影響を及ぼします。

また、家に誰も招くこともできず、人付き合いが疎遠になってしまうということも、社会的な意味で大きなリスクです。

ですがどんなリ恐ろしいスクよりも、ため込み症の本人は物を溜め込むことを優先することが、家族を悩ませることになります。



生活スペースを作るための最終手段

ため込み症というワードも知らなかった私は、物で埋もれたこの家を建て替えれば全てをリセットできるのでは?と考えました。

このまま少しのスペースもない家で、子どもたち3人を育て上げることはできないと思ったからです。

物を処分することに対して夫は首を縦には振らないだろうと確信があったので、片付けが目的だと悟られないように、間取りの不便さなどを理由に建て替えを計画しました。

ちょうど子どもたちが幼稚園の頃にその考えを実行にうつしたことで、子ども部屋が作れたことは何より幸いでした。

結局はその新築の家も数年後には物に埋まりましたが、以前の物に埋もれた家のままだったら、子どもも私も居場所がなく物理的に住み続けることはできなかったでしょう。

一旦物で埋まった場所を空けるということは、ため込み症の人にとっては難しいのです。

もちろん話し合って解決することが望ましいのですが、最終手段としては家の建て替え、もしくは引っ越しが有効かなと思います。

そして住まいを新たにしたら、はじめのはじめから「絶対にここには物を置かない」と決め、「ここは他の目的のために空けておかねばならない」、というアピールを常にし続けなければいけません。

その方法で子ども部屋くらいは確保できるかと思いますが、おそらく新しい住まいも徐々に物に埋まっていくのだ、という覚悟は必要かと思います。

ため込み症は治らない

ため込み症は病気というよりは、その人が持つ性癖、とても強固な個性の一つのように私には思えます。

まるで生きることと溜め込むことが同義のように、本人にとっては自然なことなのだと、長年夫を見ていて私は感じました。

心療内科などで診てもらえるそうですが、本人は物に埋もれる生活に異常も苦痛も感じていませんから、通院すること自体が難しいのではないでしょうか。

一粒飲めば物に対して興味を失うという薬もないでしょうし、カウンセリングでよくなるとは、私には思えません。

ため込み症が軽い段階で、身近にいる誰かが物で埋まらないように補助できれば効果はあるかもしれませんが、一旦物に埋まる感覚を体感してしまうと、そこから抜け出すことは難しいでしょう。

感情が乏しく、人とのコミュニケーションが取り辛いということも、状況の改善の難しさに大きく影響しているのではないでしょうか。

家族が困っているならやめよう、とは思いませんし、周囲に迷惑をかけたり困らせていても、そのこと自体を気に掛けることがないからです。

夫以外のため込み症の方と会ったことはないですが、「他人への興味の薄さ」ということは共通しているのではないかなと想像します。

私は医者でも研究者でもありませんが、ため込み症の夫と長く暮らした経験から、「ため込み症は治らない」と感じています。

全て捨ててしまえば良いではないかと思う方もいると思いますが、そうは簡単にいかないのが「ためこみ症」なのです。

断捨離をしてスッキリするという感覚も持ち合わせていませんし、すぐにまた物に埋もれる環境を作り出してしまうでしょう。

ためこみ症本人と一緒に暮らせるか

結婚当初から物に埋もれ「なんとかしなければ」と焦る日々を過ごしましたが、家を新築したことでどうにか子ども部屋は確保でき、この家で子育てを終えました。

ため込み症という病気の存在も知らず、夫を変えようと試み続け、気付けば30年という月日が流れました。

その中で確信したのは、「夫は決して物を溜め込むことをやめないだろう」ということでした。

「私が死ぬまでに、この家を片付けねば」と責任を感じてきた私の気持ちが変わり始めたのは、数年前に夫と挨拶すら交わすことがなくなってからです。

「自分の部屋を片付けて」と最後のお願いをしたのに対し、1年待っても逆に物を増やし続けた夫に対し、ほとほと嫌気がさし、どうしようもない憎しみの気持ちが湧いてしまったのです。

不思議なもので、それまでは無理にでも夫に言葉をかけ続けてきたので、そこまで嫌だという気持ちはなかったのです。

でも、もう夫の顔も見たくないし、声も聞きたくない。

「早く夫が死んでくれたら片付けられるのに」という、醜い気持ちが常に私の頭から離れない状態になりました。

夕飯を用意しながらでも、夫の後ろ姿に「早く死んで」と心の中で叫んでいるのです。

そんな醜い気持ちでいる自分がほとほと嫌になり、これ以上夫婦でいることはできないと離婚を選んだことで、ようやく私は夫に対しての憎しみの感情を手放すことができました。

夫は離婚後も変わらずに物をため込み続け、のびのびと元気に楽しく暮らしているようです。

子どもたちと集まる場所を失ったことは一番残念な点ですが、その辺りは改善点を見出す努力をし続けるつもりです。

夫と離婚して良かったのは、綺麗に掃除できる部屋に住めるということもありますが、何より、夫への憎しみが一切なくなったことです。

それどころか、夫に対して感謝を忘れてはいけない点もいくつか浮かぶようになりました。

人を憎むということはとてもエネルギーを使いますし、その相手が自分の家族の中にいるということは、とても辛いことです。

ため込み症の本人とこのまま一緒に暮らし続けるのか?それとも別々に暮らすのか?

迷いながら暮らすどこかの時点で、どちらを選ぶか考えるべき時が来ると思います。

ためこみ症は治りません。

その上で、相手を憎まずに受け入れられるか?という問いを時々立ち止まって、自分に投げかけてみてください。

もし憎んでいるのが大量の物だけに対してなら、一緒に暮らしていけるでしょうし、溜め込む本人に憎しみの気持ちが芽生えているなら、「別々に住む」という選択に目を向けることをお勧めします。

本人が変わらないならこちらが変わるしかないからです。

あのまま一緒に暮らしていたら、私は憎しみの強さのあまり、自分を見失ってしまったかもしれません。

残りの人生も長くはない私ですが、これまでの悩み多い日々にも意味があるのだと、感謝と反省を忘れずに1日1日を大切に過ごしていきたいと考えています。

今、ためこみ症について悩み続けている方々の気持ちが、少しでも救われればと思い書かせていただきました。

長く悩んだ末にため込み症の夫との離婚を選んだ私の経緯は、是非こちらの記事をご覧ください↓




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