さよなら我が家
先日ついに我が家に別れを告げ、私は新しい生活へと歩を進めました。
地下室から玄関、3階までためこみ症の夫の集めたモノで溢れかえった我が家から、ワンルームの新居に引っ越したのです。
こんにちは「私の家」
不動産屋さんからマンションの鍵を受け取りドアを開けると、まだ何もなくがらんどうの部屋の様子が目に入りました。
その瞬間、思わず胸が熱くなり目には涙が溢れてきました。
ついに新しい素敵な私の居場所を手に入れる事ができたのです。
涙が溢れるほどの感情が湧いてくるとは思いもしませんでした。
キッチンの棚をひとつひとつ開けたり部屋のあちこちを見ながら「これからよろしくね」と自然と心の中で挨拶をしていました。
お風呂やベランダもコンパクトながら小綺麗で、マンションのオーナーさんの愛情が感じられる素敵な部屋です。
私はその小さな部屋でのこれからの生活を想像し「きっとこの部屋が大好きになるだろうな」と、何もかもに感謝したくなるような嬉しい気持ちになりました。
モノが溢れる我が家から逃げるような気持ちで家を移る決心をしたのですが、こんな嬉しい気持ちになるとは予想外でした。
一人きりの引っ越し
さて、モノで溢れる我が家から新居で使うものを着々と運び出さねばなりません。
家電製品やベッドは新しく購入するので部屋まで届けてもらえば良いのですが、その他のものは自分で運ばなくてはなりません。
しかも住める状態になるまで夫にはバレたくありません。
新居は狭いので持っていくものも厳選しました。
優先順位の高いものから運び始め、引っ越し日前の1週間ほどは「こんなに私の物が減っているのだからさすがに夫は気づいているだろう」と思いながら大胆に必要なものをどんどん移動させました。
むしろ何か勘づいてくれた方が私としては話を切り出しやすいとすら思ったのですが、実際は夫は何も気付いてはいませんでした。
山のような荷物からでも自分の大事なものが無くなればすぐに気付く夫ですが、自分のモノ以外の物がごっぞり無くなっても関心がないからか全く気付かないのが不思議です。
さよなら我が家
モノに埋もれてウンザリさせられた我が家ですが、それでもやはり愛していた場所に間違いはありません。
掃除ができる範囲は限られていますが、出ていく前にできる限りこの手で掃除しておこう。
ここだけは夫がモノを置かないようにと死守してきた階段の板を1段ずつ拭きながら、思い出すのはやはり子ども達がまだ幼く賑やかに走り回っていた頃のことでした。
お風呂の床を磨きながらも「このお風呂で子ども達と一緒に湯船に浸かりクイズなんかして遊んだっけ」とか。
忘れていたさまざまな思い出が懐かしく甦ってきました。
新居に出会いの挨拶をしたように、私は長年そこで暮らし苦しみも悩みも楽しみも幸せも味わった我が家に心の中で挨拶をしました。
「さよなら我が家」
涙は出ませんでしたが胸がいっぱいになりました。
最後の日まで、猛暑日の昼間にクーラーのない玄関の床に寝転がり天井をぼんやり見つめていました。
「玄関でお昼寝するのもこれで最後なんだな」と少々名残惜しさも感じながら。笑
そしてその翌日私は家を出ていきました。
コメント
はじめまして、自分と似たような環境でしたので、投稿者様の動向をハラハラドキドキしながら密かに読ませていただきました。共感するところがありすぎて時には涙してしまいました。
とうとう、お引越しされたのですね!おめでとうございます!ぜひ、自分だけの空間を楽しんでください!
私も子供が数年で独立しますので、お一人様に慣れる練習を少しずつですがやっております。
投稿者さまから勇気もらいました。
これからも応援してます!
(ご主人の反応が気になります)
まりさん はじめまして。
我が家を出てまだ3週間も経たないのですが、もう新しい家に早くもしっかりとした愛情が芽生えているのを感じています。押し入れで眠ったり掃除機もかけるところがなかった今までの生活をこうして離れて客観的に見る事で新たに考えることもあります。まりさんも似た環境におられるということで、日々大変なこともたくさんおありでしょう。子どもさんのためにといろいろ耐えていることもあるでしょうね。お一人様のご準備は生きていく上でじゃまにはなりませんしいいと思います。これからどうなっていくのかは私自身もわかりませんが、自分の気持ちに素直に生きていけたらいいなと考えています。まりさんもどうぞ大変な毎日を明るくクリアしていってくださいね。お互いに頑張って生きていきましょう。今回の私の決断に対する夫の様子についてはいろいろ思うこともあり考えを整理している段階です。また書かせていただきますね。いつも読んでいただきありがとうございます。