いくつになっても苦手なことに触れてみる
最近、自分が苦手だと思い込んでいたことが、案外好きだということをいくつか発見したのですが、今回はそのうちのふたつのお話です。
ひとつ目はロックなどのギターの曲を聴くことです。
私は小さい頃からエレクトーンを習い、他にもいくつか楽器に触れながら今に至ります。
高校生の頃、バンドブームに乗っかって真似事をしたことがあるのですが、その時に友人のギターに触る機会がありました。
初めて触る楽器には必ず胸がときめくのですが、何故かギター…それはエレクトリックギターでしたが、全くワクワクした気持ちになれなかったのです。
常にと言ってもいいほど音楽を聴いている私ですが、ギターの入ったいわゆる「ロック」と呼ばれるジャンルからずっと遠ざかっていました。
ギターは弾くのも聴くのも苦手で性に合わない、と自分の中で決定してしまったのかもしれません。
ですが…ここ最近、ロックどころかヘビーメタルと呼ばれるジャンルを聴きまくっています。笑
きっかけは知り合いの方と一緒に車に乗る機会があり、そこでかけていたヘビーメタル系の洋楽が「なんだこれは!?」という感じで、今の私の好みにぴったり合ってしまったのです。笑
今ではギターの入ったハードな曲でないと物足りないと思うようになってしまいました。
いやあ分からないものです。50代半ばにして激しいロック系にハマるなんて…。笑
我ながら意外過ぎて驚いています。
ちなみに一番好きなのはDREAM THEATERというバンドの曲です。それぞれのパーツの演奏が神業ですし、曲の構成は聴けば聴くほど知的ですし、アルバムを聴くとまるで一冊の本を読んだかのような感覚です。
ふたつ目はある画家の方の作品です。
最近美術館に行くことが楽しみのひとつになっているのですが、ここでも意外な発見をしました。
私は20代の頃にある画家の方の作品を観て、「これは全然好きではない」と感じました。
1度そう感じてしまうとどの作品も気に入らない気がして、それ以来私はその方の作るものは「嫌い」と自分でずっと思い込んできたのです。
ですがつい4ヶ月ほど前に、その方の作品展を見つけふと行ってみると、私が勝手に心の中で決めつけてきた作品の印象とはまるで違ったものを感じたのでした。
むしろその作品の多くは私の目を釘付けにし、見たものがそのまま私の中に浸透していく感覚です。
展示場にある全ての作品を丹念に観ながら、私は不思議な嬉しさを感じたのです。
年を重ねて寛容になった
ちょうど食べ物の好みが変わるように、歳と共に私自身が変化した事もあるでしょう。
ギターに関しては「音が好きか嫌いか、弾けるか弾けないか」という点で、即座に苦手だと無意識に決めつけたのかなと思います。
画家さんの作品に関しては、私も絵を描くことが好きなので「自分はそうは描かない、自分のやり方と違う」という若い頃のエゴのようなものが「嫌いだ」という感情につながったのかもしれません。
知らない間に自分はこういう人間で、これは好きでこれは嫌いというような、型にはめて生きてきた気もします。
いずれにしろ嫌いだと感じてきた人の作品展に足を向けたり、ギターの音を拒絶せずに耳を傾けた時点で、ずいぶん私は変わったのです。
そう考えると単なる好みの変化ではなく、歳を重ね私は寛容になったのかもしれません。
昔は大嫌いと思っていたものが実は随分好きだったと知ることは、例えればずっとケンカをして遠ざかっていた人と、再び出会って仲良くなれたというような喜びをもたらします。
自分で作った型から抜け出して、苦手だと決めつけていたものに改めて触れてみるのは興味深いものです。
まだ出会っていない好きなもの、好きなことに出会う可能性はまだまだありますもの。
こういうワクワクは忘れたくありませんね。
いくつになってもね。笑

コメント