得られた心の平和
夫が重度のため込み症のために家は不要なもので溢れかえり家族に大きな影響を及ぼしています。20数年間の間、思いつく限りの方法で夫に片付けるよう働きかけてみましたが問題解決の糸口が見つからず、私は一時自分を平静に保つことができなくなりうつ状態も経験しました。
そこから抜け出す事ができたのは友人の存在や自分の趣味を充実させることもありましたが、現実逃避してでも良いから心の平和を自分で保つのだという強い意識を持つことができたからだと思います。
今現在も我が家の酷い状態は変わりませんが、どのようにして心の平和を保っていくのかということは日々の中で重要なテーマなのです。

私の心の平和を保つためにこの光景とどう向き合うか
初めて読んでくださる方はまずこちらの記事をご覧ください⇩
片付ける約束は破られ夫に失望する日々
2021年の元旦のことでした。
私は兼ねてから子ども達も揃っているこのタイミングで夫に言おうと密かに計画していたことがありました。
それはせめて1階の夫の部屋だけでも片付けて欲しいとお願いをする事でした。
3階にある子ども達の部屋以外は玄関からベランダに至るまで溜め込み症の夫が集めた不要なモノでほとんどのスペースがいっぱいになっている状態です。夫は日頃リビングルームに居て、入り口の天井まで物でいっぱいになった1階の自分の部屋に行くことはないのです。
夫の部屋だけでも片付けられたらどんなに良いかといつも思っていました。
それまでに何度も片付けることに関して夫に失望させられた経験からもうそのことに触れて自分が落ち込むのが嫌だったのですが今回は「言わなければならない」と自分の中で決めていました。
簡単に「いいよ」と言うはずはないと解っていたので用意周到に夫のご機嫌を損ねないように気を遣いながらこの日を待っていたのです。
時々部屋から火事が起きるのではないかと眠れない夜を過ごすことも多く私は不安なのです。
実際恐ろしいことにタコ足配線の電源コードが無数プラグに刺さったまま多くの物が積み上げられているのですからいつ火事になっても不思議はないのです。
まだ夫が退職する前は夫の留守中に「何とか電源だけでも確認したい」と物をかき分け部屋に入ってみましたがあまりにも多くの物が詰まっているせいで身動きができず何度も断念しているのです。
退職した夫が毎日家にいるのですからこっそり部屋に入って片付けるという事が全くできなくなりました。

家中のコンセントがタコ足配線なので私は火事を心配している
そんな経緯で元旦から自分の部屋を片付けて欲しいと久々にお願いしてみましたが「今年の年末までには片付ける」と言う返事が返ってきました。
ですが予想通り、春が来ても夏が来ても溜め込み症の夫が片付ける気配は全くなく、むしろモノが増え続けてきた1年になってしまいました。
きっと夫は約束は覚えているでしょうが、もし私が問いただしたら、そんな約束したかなととぼけるか怒りでキレてしまうかどちらかだと思います。
年末を迎え、予想していたとはいえ約束が守られる事がなかったのは残念で、夫に対してさらに失望してしまいました。
失望の末ため込み症の夫とは沈黙夫婦に
これまで私は夫から何の感情もこもらない返事が返ってくると分かっていても一生懸命話しかけてきました。
せっかく夫婦一緒にいるのだし何か簡単な、例えば天気の話などを何気なく夫に振るのですがそこから会話が膨らむ事は皆無で「なぜそんなつまらない話をするのだ」という顔で「ふうん。」という返事をされる事が大半でした。
なるべく良好な関係でいればいつかは片付けることを実行しやすいかもしれないという淡い期待もありました。
夫と楽しく過ごせるよう努力はしてきたつもりですが、会話が弾み笑い合った事は1度もありません。
夫はプライドが高いのか歳が離れているせいか、日常な些細な会話の中ですら常に私よりも優位に立ちたがりました。
例えば自分の知らない話を先に私が知っていたりするととても感じの悪い空気になるので、知らないふりをするなどして一応夫をずっと立ててきたのです。
そのうちに良い関係を築けるかもしれないと期待し努力しましたが結果は全く変わりませんでした。
何故か20数年もの間我慢できたのに、去年の元旦の片付けの約束を守ろうとしない夫を見ていて突然変わらない夫に気を遣うのが心底イヤになってしまいました。
イヤになった私はいろんなことを諦めるしかありませんでした。
私が夫に話しかけることをやめてしまうと、今まで何とか成り立っていた夫婦の会話が無くなり、おはようなどの簡単な挨拶すら交わさない夫婦になってしまいました。
私が折れて下手に出れば元の様に戻るのかも知れません。
今まではそんな事があっても思い直して明るく振る舞ってきましたが、もう気持ちは限界でそれは出来そうにありません。
夫はきっと私の気持ちなど気付きもしませんし気にもしないでしょうから沈黙が続くことも平気なのかも知れません。
こうしてついに私たちは沈黙夫婦になってしまいましたが初めから温かい夫婦関係など望むすきもなく私の独りよがりだった気がします。
モノを手放せないため込み症の夫

2021年12月31日撮影 夫はモノを手放すことができないためこの状況に陥っている
これは長年一緒に過ごしていて痛感する事ですが、夫は生きている限りモノを手放す事は出来ないのだと思います。
大量のモノは夫にとって鎧の様な役割なのか、何らかの価値を溢れかえるモノに投影しているのかも知れません。
はっきりとした原因や理由はわかりませんが、確かに気まぐれでモノをためこんでいるわけではないですし、たとえ強制的に第3者が全て処分したとしてもすぐに同じ状況を作り出すに違いありません。
テレビを見ながら小さなものを手にして落ち着きなく指を動かしていることも多いのですが、持っているモノから安心感を得ているのかもしれません。
1年間夫が片付けてくれまいかと疑いながらも期待しましたがその約束は守られることはなかったのです。「約束のことはもう忘れよう」と私は決めました。
果たされなかった約束にイライラしても仕方がありませんし片付けを強行すれば夫も激昂してどうなるか分かりません。
子ども達にその事を伝え、ためこみ症の夫と一緒に住んでいる以上仕方がない事だと母子で諦めました。
ためこまれた大量のモノは夫が生きている証のようなものなのです。
もう期待しない…心の平和のために諦めるという選択肢
50代に入ってからもフルタイムで働きながら家事全般をこなし、ストレスの多い家庭環境ではありますが心と体を壊す事なく過ごせています。
頑丈な心と体に感謝ですね。笑
夫のためこみ症という病気や、この家の状態も仕方がないものと捉えて、不快ではありますが無駄に悩むこともこの頃は少なくなりました。
言い換えれば、私は諦められるようになった事で心の平和を得られるようになったのです。
何事も諦めずにやる性格の私が、諦めざるを得ないこの家で暮らしているのですからそこに何か意味があるのでしょう。
自分が頑張れば解決できることと、どんなに解決を望んでも自分の力が及ばないことは分けて考えなければならないと私はこの結婚生活で痛感しました。
いくら頑張っても変わらないところにエネルギーを費やしても無駄ですし心の安らぎを得ることはできない問題に対して諦めるということを私は学んだのです。
人はそれぞれに諦めや妥協をしながら生きているのでしょう。その中で幸せだと感じる部分を大切にしたいものですね。
自分で解決できる問題に対しては真摯に向き合い、どう頑張っても自分の力の及ばない問題には諦めるという選択肢があることを知ったことは私にとって大きなプラスになったと感じています。
ただし、その判断を的確につけるためには失敗や苦難の経験も必要ですからやっぱり人生には苦労がつきものですかね。やれやれ…。笑
諦める選択をしたとしても明るく前向きに生きていくしかありませんね。
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