ためこみ症

心の闇に足をとられないように|この夏に思うこと

テーブルの下にあふれるモノ ためこみ症

心の闇に足をとられないように

退院後のためこみ症夫の変化について

ためこみ症の夫が持病のため2週間の検査入院をしたのは約2ヶ月前のことでした。

退院後、夫は何かが変わったように妻の私は感じています。

相変わらず夫は1日中テレビの前の座椅子に座り動きません。タブレット、スマホも同時に操作しながら、組んだ足を貧乏ゆすりしながら過ごしています。

気になっているのは夫の座椅子周りのモノが、以前に比べさらに増えた事です。夫の座る座椅子の右手側、ベランダに出る窓の辺りに新たにたくさん積み上げられています。

積み上げた高さが20センチほど増した感じです。

退院後ため込み症夫の座椅子周りはさらに物が増えた

退院後ため込み症夫の座椅子周りはさらに物が積み上げられている

座っていても手が届く範囲のモノが増えているので、こっそり何が置いてあるのか見てみましたが、特段そばに置く必要のないものばかりが積み上げられていました。

どこに保管していたのか、夫宛ての封筒がぎっしり詰まった紙袋も出現。時々テレビを見ながら封筒の中身を出して読んだりしています。どうやら過去の請求書や会社からの通知書のようです。

夫の座る座椅子のあたりは、ベランダに出入りする時の貴重な通り道です。そこに荷物が増えると、洗濯物を抱えて移動する私には大変邪魔なのですが、伝えても夫の耳には入りません。

病院から持ち帰った持病に関する資料なども多いのですが、文具や財布などの細々したモノも増えています。私が仕事に行っている間にどこかで買って来ているのでしょう。

溜め込み症の夫の不安が急激なモノの増加に関係しているのだろう、と私は考えていますが当の本人は自覚は全く無いと思います。

きっと病院で2週間、検査のためとはいえ入院したことは、夫にとって健康上の不安を生んだのでしょう。

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冷蔵庫まで広がるためこみ

入院以前から私を悩ませてきたのは、冷蔵庫の中に夫がいろいろと買ってきては詰め込むことでした。

それは1年半ほど前に夫が退職してから始まったのですが、見切り品を買ってきては冷蔵庫に入れるのです。どうやら入院という体験をし、あまり美味しくもなかったという病院食のせいなのか、食べ物への執着も増えたのだと思います。

すぐに食べるなら問題もないのですが、空間を埋めるために?たくさん買って来ても結局食べないまま腐っていることが多く、私はため息をつくしかありません。

自覚はないとはいえ、健康上の不安を抱えている夫をある程度は大目に見なければ…と自分に言い聞かせていますが、冷蔵庫は私も使用するため、かなりのストレスです。

趣味もなく楽しみを見いだせないように見える溜め込み症の夫。

趣味もなく楽しみを見いだせないように見える溜め込み症の夫。

もちろん部屋の物は増え続けていますし、毎年夏になると溜め込まれた物から発せられる臭いに悩まされています。

特に夫の部屋(下の写真)の臭いが酷く、窓を開けて換気するわけにもいかないので困っています。(窓まで行くことができない)

雨の日は夫の部屋からの大量のモノの匂いに悩まされる

雨の日は夫の部屋からの大量のモノの匂いに悩まされる。

溜め込まれているモノは革製品が多く、それらにカビが生えているのでしょう。ビニールの類も古いモノは臭いが出ますね。

クローゼットの中で、古い革のジャンパーに白いカビがびっしり生えているのを発見し、急いでこっそり捨てに行ったこともあります。

私が現在唯一ゆっくり過ごせる納戸も、この臭いからは逃れることができません。

視界には入らずとも消臭剤も全く効かないこの臭いは、パソコンに向かっても、映画を見ていても、夫の溜め込んだ物の存在を絶えず主張してくるのです。

いつかこれらを片付けられる日が来たら、臭いの元凶であるたくさんのモノと対峙しなければ…とついつい考えてしまうので心の健康上よくないですね。

いけないいけない、ここは現実逃避して考えないようにしなければ、私の心が病んでしまいます。笑

ためこみ症で生ゴミなどを集める方のご家族は、さぞ辛いことと思います。

心の闇に足をとられないように|この夏に思うこと

この夏私は53歳の誕生日を迎えました。

健康診断ではオールAの私ですが、やっぱり年齢とともにゆっくり体を休めたいと思う日が増えて来ました。

仕事から夕方帰るとクタクタなのですが、言葉も交わすことのない溜め込み症の夫が、何もせずに晩ごはんが出来るのを待っています。

何も考えてはいけない、とにかく今目の前のやるべき事をこなすだけだ、と無心で家事をこなします。

そして休日は家だと気持ちが落ち着かないので、なるべく外出しています。

元気で悩みなどないように周りからは見えるらしいのですが、とんでもありません。

とっても闇の深い私。笑

この家を片付けるまでは死ぬわけにはいかない、健康を維持しなくてはと気が張っているので元気なのかもしれませんが。そんな健康法〜嫌ですね。笑

私は読書が好きなのですが、最近「アンネの日記」を改めて読んでみました。

まだ少女だったアンネは戦争のために潜伏生活を余儀なくされるのですが、窮屈な隠れで暮らしながらも、どんな時も純粋さと優しさ、人に感謝することを彼女は忘れませんでした。

自分のことばかり優先する同居人の一人をアンネは「ケチな精神の持ち主」と書いているのですが、私もそんな人間にならないように気をつけなくては、と反省しました。

ストレスの多い環境ですが自分らしさを失わず、周りの人への感謝と思いやりを忘れないように、毎日を過ごしていきたいと願っています。

自分の中の心の闇に足を取られてしまわないように。そんなことを思っているこの夏です。

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