ため込み症の夫|あふれるモノが家族に与える影響
物に埋もれ並んで座るスペースすら無く、まるで家族が集まることを拒んでいるかのような状態の我が家。
約25年前に夫が「溜め込み症」であることに気付かずに結婚し、それ以来ずっと「モノ」に対する夫の異常な執着心に不気味さと不安を抱いてきました。
不要なモノの飽和状態に陥っていて日々の生活のスペースも侵されている状態ですが、ため込み症の夫は困っているという自覚が全くありません。故に片付ける気もなく、家族は大変なストレスを感じながら過ごしています。
家族が集う場所がない中での子育ての日々

ため込み症は家族の団欒の機会を奪ってしまう
写真は、本来なら家族が団欒の時間を過ごすはずの我が家のリビングルームの様子です。
窓がたくさんあり本当なら爽やかな風が通るはずの部屋ですが、空気を入れ替える事もままならず常に暗くどんよりしていることは、明るいリビングルームを望んだ私にとってとても悲しく残念なことです。
探し回って手に入れた二つのライトは食卓を照らして料理を美味しく見せてくれるはずでした。その奥の窓は花を飾れる様に出窓にしたのですが、積み上がったモノで半分埋まるほどになっていて景色を楽しんだり花を飾るどころではありません。
大きなテーブルには天板を見ることができないくらいに多くのモノが置かれています。
鍋物用のガスコンロやホットプレートも用意しましたが置くことができず出番がありません。
現在は夫一人だけがこのテーブルの僅かな隙間で食事を摂っています。
私はキッチンにポツンと置かれた脚立を兼ねた椅子に座って一人で食べています。
息子達も、ホームセンターで買ってきた一つだけの折りたたみ式簡易テーブルで順番に食べている状態です。
20年ほど前、子ども達がまだ幼く私がまだ本格的に働くまではこのテーブルも食卓の役目を果たしていました。
私は食事の時間を大切にしたかったですし、賑やかな子ども達の話を聞いたものです。
ですが夫は当時から家族の会話には興味がなく、一緒に席に着いていてもテレビに夢中になっているか、もしくは「子どもがうるさい」と自分だけ時間をずらして食事をしていました。
家族で団欒するなどという発想は夫にはありませんからこのような状態も全く苦痛ではないようです。
料理好きな私は、家族の誰かの誕生日にはちょっぴりぜいたくな夕飯を作りケーキを焼くのですがそれらを乗せるテーブルがありません。
仕方なく折りたたみの小さな簡易テーブルを出すのですが、乗せきれないお皿は床に並べその周りで家族は立食または床の隙間に座ることになります。
そうして一緒に料理を囲む日も、夫は私たちの会話に加わる事もなくひとりテレビを観ながら食べています。
自分の話をする時だけはこちらを見ますが、あとはまるで興味がないようです。
そんな中で育った子ども達は父親に話しかけることもなく大事な話…例えば進路の話なども父親がいない時に母である私に話すようになりました。
もしかしたら夫はリビングルームが片付いていても家族の団欒に加わる気も無かったのかも知れません。
皆で集まり温かい食事をしたわいない会話をすること、そんな時間の積み重ねが家族の愛情が育てるのでははないでしょうか。
夫は家族での団欒などは望んでいませんし、悲しいことにむしろ拒んでいるように見えます。
そんな環境の中で子育てをしてきた私が何より大事にしたのは子どもたちとのコミュニケーションをとることでした。
明るく楽しく、時には苦しいこともたくさんあった子育ての日々の背景には家族が集うことも難しい、モノに埋もれたこの家があったのです。
物が溜め込まれたクルマ

溜め込み症は家族で出かける機会も奪ってしまう
写真は、我が家のワンボックスカーです。15年ほど前に中古で購入したのですが、家族で出かけたのははじめの1年ほどでした。
そのあとすぐに車の中もモノでいっぱいになってしまい今ではドアが開けられません。

ドアを開けると物が雪崩になる助手席の様子
運転席のドアを開けると細かなものがどっさり落ちてきます。
これはもう車ではなく不要なモノばかりが入った物置です。
もう一台の軽自動車もモノでいっぱいで、息子2人が乗る様になりどうにか中のものは片付けてもらいましたが何のために車を2台置いているのかわかりません。
もしかしたら夫は初めから家族で出かける目的ではなくモノを入れるつもりで大きな車を選んだのかも知れないと疑ってしまいますが、そういうつもりはなくてもいつのまにか自然にそうなってしまうのでしょう。
それがため込み症という病気なのです。
こうして家族一緒に出かける機会も奪われています。
子ども達とはLINE会話が増えた
去年まで夫が仕事に出ていましたが今では退職し毎日家にいます。
ほんの僅かしかない貴重なスペースを夫が陣取っているので私や子ども達はめいめいの気が休まる場所でじっとしています。
夫がそこに居るだけで私も子どもたちも何故か黙ってしまうのです。
子どもたちと父親の関係はほとんど築けていない状態なので息苦しさを感じても仕方のないことなのでしょう。
それにしても夫を抜きにして私たちだけで会話が弾み笑ったりすることは遠慮してしまいますから、夫が退職してからというものの以前のようにキッチンで子ども達どいろいろ話す事がし辛くなりLINEでのやりとりが増えました。
家族全員でくつろげる場所が欲しい
家族全員でくつろげる場所が欲しい。
これは結婚して以来の私の望みです。
フルタイムで働き疲れて帰ってきてもすぐに家事に取り掛かる毎日ですが、キッチンからスッキリと片付いたリビングを見ながら家族のために料理するのであれば気持ちが全く違うと思うのです。
スッキリと片付いたこのリビングで家族で集い、安らぎを感じたいと強く思いますが今のところそれは叶いそうもない願望です。
我が家で家族全員がゆっくり身も心もくつろげる日がいつか来るのでしょうか。
家族で過ごすことをまるで拒まれているような我が家の状態ですが、その中でも思いやりや愛情の溢れる家族でありたいとこれからも私は強く望むことでしょう。
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