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私は泥棒になれるか?|潜在意識の中のプライド

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私は泥棒になれるか?潜在意識の中のプライド

先日用事で電車に乗って出かけた際、ちょっとした出来事がありました。

簡単に言えば「私は泥棒になれるか?」と自分に問いかける体験をしたのです。

目的の駅について改札を出る前にトイレに入った時のこと。

並んでいるドアの一番手前のトイレに入ろうとした私の目に入ったのは台の上に置かれた黒いハンドバックでした。

忘れ物だなと気づきちらっと見てみると、バックの口が開いていてスマホや財布その他何かがいっぱい入っててパンパンです。

「きっと今にトイレを出たばかりの持ち主がすぐ戻って来るはずだ。」と私はその隣のトイレに入り用を済ませ、手を洗いながら持ち主が走って現れるのを待ちましたがそんな気配は全くありません。

しかも新しい駅のわかりにくい場所にあるトイレだからか周りはひっそりとして誰もいないのです。

ふと私はもし泥棒気質?の人ならここでこのバックを手にして走って改札を出てしまうのだろうなと想像しました。

私が仮に今、貧乏のどん底にいるとしたらそんな行為ができるだろうか???

黒いバックを見つめながら私は想像してみました。

走って改札を出て何食わぬ顔でそのバックと共にこの場を離れ、そして財布を取り出し…。

いえいえ、絶対に私にはできないなあ。たとえ今日食べるものに困っていたとしても私はそのような方法で金銭的なものを手に入れることは絶対にできないと思いました。

正義ぶっているわけではありませんよ。笑

私は海外に少しだけ住んでいたことがありますが、手に持っている物ですら油断していると盗られるのです。ましてこんなふうに中身も丸見えな状態で放っているバックなんか日本でなければ即持って行かれるに違いありません。

忘れる方が悪いのだという考えですね、それも別に否定はしません。

でも…やっぱり私には出来ない。何故か?

強く感じたのは誰からも見られていない時の自分の品や人格を落とすようなことは自分のプライドにかけてできないという潜在意識の中から突然浮き出てきたような思いでした。

品や人格、プライドなんていうワードが自分の頭に浮かぶなんて予想もしなかったので少々驚きつつ、これは待っていてもバックの持ち主は現れないと判断しました。

用事がありましたから、このまま台の上にバックを置き去りにしようかとも思いましたが、そのトイレにはベビーカーが入れるところだったので、「もしかしたら赤ちゃんを連れてベビーカーを押した若いお母さんかもしれない。子どもに気を取られバックが無いことにまだ気づいていないのかもしれない。」と思い直し、駅員さんに届けることにしました。

ですが困ったことにそばの改札は無人なのです。駅員さんもお客さんも誰もいません。

困ったなあと思いながらふと見ると『駅員呼び出しボタン』があります。それを押しますがどうやら先客ありでなかなか通じません。

最近どこでも人件費を省くために人を減らしているところが増えていますがこういう時困りますよね。

ようやく駅員さんの声がスピーカーから聞こえたので、トイレで忘れ物のバックがあったことを伝えると「今、もう一つの改札出口にいて人がいないのでそちらに行けません。」とのことです。

仕方ない、私がそちらへ持っていきますと伝えたものの、初めての駅だったので勝手がわかりません。迷いながらもう一つの改札を探していると向こうから先ほどスピーカー越しに話したとおぼしき駅員さんが走ってきます。

そこで無事に駅員さんにバックを渡すことができて私はホッとしました。

それと同時に「そう言えば…」と、ずいぶん前にショッピングサンターのトイレにスマホを忘れた時のことを思い出しました。

すぐに気づいた私は走ってトイレに取りに戻ったのですがすでにそこには無く、泣きそうになりながらもサービスカウンターに駆け込むと、少し前に無事にどなたかが届けてくださったということで事無きを得たのです。

あの時スマホを届けてくださった顔もわからない「誰か」にとてもとても感謝した気持ちを思い出しました。

きっとあの黒いバックの持ち主さんも、同じようにホッとしながら無事にバックが手元に戻ったことを喜ぶだろうなあとちょっぴり胸が温まる思いでした。

人に親切にされると自分も誰かに親切にしたくなるということでしょうか。

…そんなわけで、私は泥棒になれるかどうか?という自分への問いかけは「NO」でした。笑

私の潜在意識の中に人格を大切にしたいという確固たるプライドがあることに気づけた出来事でもありました。

まあこんな事でもないと普段は考えもしない事ですからね。

私を含め、皆様くれぐれもお忘れ物にご注意を…。笑

 

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