この春の我が家
寒かった冬も終わり段々と暖かくなるこの季節は、なんとなく心がざわざわして落ち着きません。春は苦手だなあと毎年思ってしまいます。
この春の我が家はどんな様子でしょうか。
次男の巣立ち
この春一番の出来事はやはり次男が就職のために家を出て遠くへ行った事です。とうとう巣立っていきました。
お腹にいる時からずっと一緒に暮らしてきた子どもが手を離れていく事は思った以上に寂しいのですが、喜ぶべき事なのでしょう。
近くには長男が住んでいますし、三男は自宅から通勤していますが毎日たくさん言葉を交わしたのはこの次男でした。
きっと夫との関係が良ければ子どもの巣立ちの寂しさも喜びも分かちあい、もう少し穏やかに受け止められるのかなと思うのですが。
そしてその夫はと言えば、息子の巣立ちにもやはり無関心でした。
2月の初めには住むところを決めて自宅と新居を行ったり来たりしながら3月末に完全に引っ越しを終えた次男。
昨年の12月には就職が決まったのですが、次男は「どうせ関心が無いだろうから」と父親にはその事を言えずにいたのでした。
わかってはいても「ふうん。」という返事で済まされるのが息子にとっても辛いのだろうと思います。
夫も何も尋ねようとしません。
ですが何も言わないまま家を出るわけにもいきません。
3月初め家族全員が揃った場で次男が「就職が決まって引っ越す」事を父親に告げました。
「そうか、良かったな。」一言だけ返事がありましたがどんな会社で住むところは何処なのか等、踏み込んで知りたいとは思っていないようでした。
そして3月の末に引っ越しが完了し出ていく際に、「体に気をつけてな。」と夫から次男に声をかけました。
夫の表情には変化はありませんでしたが、次男は驚きつつもやっぱり嬉しそうに「お父さんも気をつけて。」と言えたのです。
次男は子ども達の中でも一番夫のためこみに関して不快に思っていたので父親に心を閉ざしていたのですが、このやりとりが最後にできた事で少しは気持ちが救われたかもしれないと私もほっとしました。
そして私はと言えば、買い物中に次男の好物を見れば涙ぐんだり、公園のそばを通りかかればすっかり忘れていたのに鉄棒を練習するために一緒に毎日通った事を思い出しては涙ぐむ始末。笑
そろそろ子離れしなくてはいけませんね。
空いたスペースに迫る危機
次男が出て行った事で、3階の次男の部屋が空きました。
「お父さんが俺の部屋に荷物を置き出すかもしれないから、それだけは阻止して欲しい。」と言い残して行った息子。帰ってきた時にモノがいっぱいに積んであったら困ると。
2階のリビングの隅にも勉強机が残っていますし、「ここは使っている感を出しておかないとすぐに荷物を置き出すかもしれない。」と次男は心配していました。
私は夫と同じ部屋で寝ているのですが、夫が寝室にも荷物を大量に積んでいてだんだんと私の方に近づいているのでドラ○もんではないですが押し入れに体を入れて寝ています。
夫と同じ部屋で寝るのはかなりの苦痛なので、空いた次男の部屋で寝ようかとも思うのですが、きっと現在私が寝ている場所にモノをためこみ出すに決まっています。
そうなると次男が帰省した時に私が寝る場所が無くなります。
空いているスペースをそのままにしておけないのが夫の「ためこみ症」という病気です。
いろいろ考えましたが、次男が置いて行った本や服で使用感を出し、夫が不要なモノを置いてはいないか毎日チェックすることにしました。
いつになったら気持ちの良いスッキリとした空間で過ごせるようになるのか?と考えると憂鬱な気持ちになってしまうので、それはひとまず置いておくとしましょう。
次男が久々に帰ってきてくれた時にかつての自分の部屋で寛ぐことができるようにという事だけを考えて。
このように常に空いているスペースにはモノがためこまれる危機が迫っていますからそれを阻止する策を練らなくてはなりません。
隠された悩み
もうひとつ、最近私にとって不安なことがありました。
それは、現在の職場の仲間に我が家の場所が知られてしまったことでした。
家の前は3年ほど前に通りがかる人が振り返って見ていくほど山積みになっていたモノを私が処分したのですが、運転不可能になった倉庫代わりのワンボックスカーととても古い軽自動車が置かれています。
そのためメインで乗っている3台のバイク、2台の自転車が家の前にずらりと並んでいます。
もう車では無くただの倉庫になっているワンボックスカーの処分を夫に何度もお願いしましたが受け入れられません。
軽自動車も古くて安心して乗れませんし、本当なら2台とも処分して本当に使える1台の車が欲しいのです。そうすればバイクも綺麗にガレージに納めることができるのですが。
その車の隙間や後方にはまた夫が少しづつモノを置いて積んであり、それはすでに見苦しい状態です。
そして家を見上げよく見ると、ベランダの奥行きの半分は夫のため込んだモノが床から天井近くまで積んであり絶対着られることの無い夫の服も万年吊るされています。
そんな我が家の状態を私は知られたくなかったので、人から自宅の場所を聞かれるといつも誤魔化してきました。
ですが今回は自宅の前に私が立っていたところを職場の仲間が見たらしいのです。
表札をみてここが家なのだとわかったと言われ、「どうしてあんなに車やバイクがたくさんあるの?モノもいっぱいあるし、何かの教室でも自宅でやっているの?」と聞かれてしまいました。
私はドギマギしながら「私も車は1台新しいのがあれば良いと思うけどそうはいかないのよ。あの家は私のヤミの部分だから見ないでね。」と冗談めかして言いました。
私は今の職場の雰囲気や仲間が好きです。
仕事自体はハードなのですがそれでも楽しく過ごせているのは私の悩みなど知らない仲間と働くことで我が家の悩みを全て忘れられるからです。
それが崩される事を私はいつも恐れてきました。
恥ずかしいというよりは、辛い現実ときっぱり気持ちを離して仕事に出ているのにその職場でも我が家のことを思い出さなくてはならない辛さと言えばいいでしょうか。
これは完全な私の内部の問題です。
人知れず抱えた悩みとともに
職場の仲間達に夫のためこみ症に関する悩みを打ち明けることもできますが、そうなると私は職場でも我が家の呪いから逃れる事はできません。
私には家のことを完全に忘れられる時間が必要なのです。
私の心の健康を考えて、これからも自宅に関する話題にはのらりくらりと誤魔化すことにしましょうか。
いつか全て片付けても良い日が来たなら、私の心は解放され仲間達に明るく打ち明けることができるでしょう。
私はいつも元気でパワフルで明るく振る舞っているのですが、本当はそんなふうに心の闇を抱えて生きています。
けれど、誰しも外見からはわからない悩みを抱えて生きているのでしょう。
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