過去へのこだわり
約25年にわたり夫のためこみ症について悩んできましたが、最近になり夫の過去へのこだわり、執着が強いと感じることが多くなりました。
私自身があまり過去を振り返らず執着もないのでそのように感じるだけかもしれません。
根拠はありませんが、なぜためこむのか?という疑問と過去にこだわることに何か関係があるようにも思えます。
毎日同じ古い時代劇を観ている
昨年仕事を辞めてからしばらくの間は、コロナ騒ぎの中マスク着用について不満を漏らしながらも夫はまだリサイクルショップなどに買い物に出ていました。
今年に入ってからは本格的に外出自粛しているのか買い物は控えているのでしょう。
徐々に外に出なくなるのと同時にテレビの前に一日中居るようになりました。
テレビの前に居ますが、手元のケータイ、タブレットのどれもが動画サイトを映し出していたり音楽が鳴っています。
そしてテレビのリモコンを使ってひっきりなしに録画予約画面に切り替えたりチャンネルを変えたりしています。
側からそっと様子を窺うとそれらのどれひとつ観ても聞いてもいないのです。
最近になって、その中で珍しく途中で切られることのない番組があることに気がつきました。
それはある時代劇です。
毎日同じ古い時代劇を夫は観ているのです。
はじめのテーマ曲から本編を挟んで最後の曲までコマーシャル抜きですから40分ほどでしょうか。その間他の番組に切り替えられることもありません。
それは明らかに他の番組とは違う反応です。
40分もチャンネルを変えずにいたり、初めから終わりまで続けて流れている番組は他にありません。
そういえば以前に若い頃には時代劇ばかり観ていたと聞いたことがあったので気になり調べてみました。
夫が観ているその時代劇は1978年から2002年にかけて放映されていたらしいのです。
夫は1956年生まれですから20歳過ぎの頃でしょうか。
大学を留年で2年伸ばしているのですが学生時代の頃に見ていたものと思われます。
その頃の夫の精神状態はわかりませんが、夫が24歳くらいまで暮らしていた実家の部屋には大量のモノがためこまれた形跡があったことから既に大学生の頃にはためこみ症を発症していたようなのです。
その頃にどういう状況でこの時代劇を観ていたのでしょうか。
明らかに夫はその時代劇の音声を聴いているだけで落ち着いている様に見えますしその頃に何かがあったのかも知れません。
楽しい時代を思い出しているなら良いのですが、今となっては知るよしもありません。
気に入った昔の曲
夫は音楽が好きですが、よく聴いている曲は昔から同じ曲です。
とくに好きな何人かのアーティストは昔から同じで、それも同じ歌を聴いています。
気に入った昔の曲があること自体は全然いいと思うのですが、なにか執着のようなものを感じます。
調べてみるとその歌手の方達は1978年頃から現在も活動されています。
ちょうど先程のテレビで観ている時代劇と同じ頃に重なっています。
もちろん変わらず好きなものはあってもおかしくないですがそればかりというのは異様な気もします。
耳からの音や音楽、鼻からの匂い、テレビ番組など視覚などの五感は記憶に直結していると思いますし夫の中で何か結びつきがあるのかもしれません。
モノは過去の記録手段か
サイズが変わって着られないのに捨てられない服、汚くカビが生えても捨てられないバッグなど、私から見ると何故それを必要だと感じているのかが理解できません。
モノをためることは過去を記録する手段なのかもしれません。
ですがリサイクルショップなどで買った一回も袖を通したり、使用したことがないモノには夫の過去は存在していません。
これをあの時あの店で買ったという記憶、モノを選んでいるその時の自分に執着しているのでしょうか。
子どもがまだ小さい頃はあちこち遊びに行ったり、旅行に出たこともありましたが、お土産を買っているのを一度も見た事がありません。
不思議ですが「思い出」としての「もの」には興味がないのでしょうか。
我が家いっぱいに埋め尽くしている果てしない数のモノは、確かに夫がひとつひとつ手にして眺めて買ってきたモノです。
その時の自分をそのモノに反映させ過去の記録としてため込んでいるのかもしれません。
積み上がった大量のモノは同じく積み重なった自分の過去であり、処分する事ができないのかもしれません。
過去にこだわり昔の音楽や番組を観たり、積み上げたモノに過去を反映するあまりに捨てることができないのかもしれないと私は勝手にいろいろな推測をしています。
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