ためこみ症

尽きない欲求〜どこまでため込むのか〜|ためこみ症の夫

ためこんだモノは部屋の奥に押しやられた ためこみ症
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尽きない欲求

普通の人の想像を遥かに超える量のモノをためこみ続けてきた夫ですが、その欲求は未だ尽きることがありません。

現在68歳になった夫ですが、周囲の話から察するに私と結婚するずっと以前、10代の頃からすでに様々なモノをためこんでいます。

ですからおおよそ60年モノに執着し、ためこみ続けていることになります。

歳と共にその欲求は衰えていくのではないかと密かに期待していた私ですが、今のところそんな気配はありません。

私が留守の間に買い物に出ているのでしょうが、未だにどんどん新しいモノが増え続けているのです。

その増え方はまさに『着々と』という表現がぴったりで、少しづつ静かに確実にいつのまにか膨大な量になっているのです。

陣取り合戦

少しでもスペースを見つけると夫はそこを空けておくことが出来ないので「ここにモノを置かれては困る」という場所は文字通り陣取り合戦となります。

例えばリビングルームからベランダに出るふたつの大きな掃き出し窓のうちのひとつは既に夫のモノが塞いでいてそこに大きな窓があることさえ分からない状態です。

残っているもうひとつの窓からベランダに出るためのスペースが埋まってしまわないように、毎晩夫が寝室に移ってから私は毎晩片付けています。

片付ける…と言っても正確には不要なモノを片付ける場所は無いので、すでに山積みのモノの上にそれらをさらに乗せるという事になります。

だんだん山が天井に向かって高くなっていくにつれ、時々雪崩が起きるのでその都度積み直しをしなければなりません。

床の上にひとつモノが置かれると、そこが拠点となりじわじわとその周辺にもモノの山が出来てしまうからです。

次男の部屋も注意して見ています。2年前から次男が自立したため空き部屋になったのですが、油断しているとそこにカバンがひとつ部屋の真ん中に置かれていたりするのです。

放っておくと一つが二つになり…まるで細胞分裂するようにどんどん増えていくはずです。

ですから私は毎日部屋を覗いて何か夫が拠点になるようなモノを置いていないかチェックし、何か置いてある時には既に出来ているモノの山の上に移動させます。

陣取り合戦ではありませんが生活のための最小限のスペースを確保するためには私もいろいろ工夫しなければ夫の執念に負けてしまいます。

下の写真はつい最近テレビボード下に置いてあったプリンターを他の場所に移動させたところ、翌日には空いた空間に夫がモノを詰め込んでしまいました。

テレビボードの下が空いたとたんにモノが詰め込まれた

プリンターを退けた途端にモノが詰まったテレビボード

 

欲は満たされるのか

モノをためこむ事を『欲』と捉えるとすると、満足を得るラインがどこかにあるのでしょうか。

例えば食欲ならお腹いっぱいに食べれば次に空腹を感じるまではその欲は抑えられます。

同じく睡眠欲や性欲に関しても一度満足を得たら少しの間抑えられるものだと思います。

それらの生理的欲求は一旦満たされてまた欲求が芽生え補充するというかたちで生きている限り終わることはありません。

モノをためこむ夫の欲求は?
モノを増やし続ける夫の満たされる時点はいつなのでしょう。

モノを選んでいる時なのかレジで財布を開けて支払いを済ませ自分のモノにした時なのか。我が家に持ち帰り自分のテリトリーにそれらを置いた時なのか…。

もしかしたら満たされる時などひとときも無いのかもしれません。

尽きない欲求

先日夕方仕事から帰ると玄関から入ってすぐの夫の部屋のドアが10年ぶり?に閉まっていることに気づきました。

なぜドアが開きっぱなしだったかというと、夫の部屋は天井近くまでモノが溜め込まれており、それが内開きのドアのところまで進出したため物理的に閉められなかったのです。

 

入り口までモノがあり以前はドアが閉まらなかった⇧⇧

モノが部屋奥に押し込まれている様子⇩⇩

ためこんだモノは部屋の奥に押しやられた

 

それが閉まっているのはどういうこと??

私はギョッとしながらも2階にいるはずの夫に気づかれないようにそっとドアを開けてみました。

それまで入り口まで積み上がっていた荷物が部屋の奥に詰め込まれ高さを増していただけで、予想通り捨ててくれた訳ではありませんでした。

足元に奥行き1メートルほどでしょうか…奥に押しやった分だけ新たにスペースができていました。

つまり…まだモノをためこめるスペースを捻出したと思われます。

しかもようやく閉められたドアにはモノがかけられるようにいくつものフックが付けられていました。

ドアには新たにフックが取り付けられていた

ドアにつけられた新たなフック

まだまだため込む気なのか…。こういう時私は果てしなく不気味なものに対して抱くような恐怖感を感じます。

私は少しの間呆然とその様子を眺めていましたが、それらのことは今に始まったことではありませんし気持ちを切り替えてさっさと夕食の準備に取り掛かりました。

この気持ちの切り替えをこれまで何百回繰り返してきたことでしょう。そしてこれから私は今後もこの複雑な気持ちの切り替えをこの家に住む限りは繰り返していくでしょう。

先程の陣取り合戦の話で例えると我が家のほとんどのスペースは夫のモノに覆われており、夫が生きている限り私に勝ち目はありません。

それほど夫のためこみの欲求は尽きない強力なものであり、彼が生きている限り切り離せないのだと私は感じています。

そしてついにこの家の空間の全てを埋め尽くした時にその欲求は無くなるのでしょうか??

どうなんでしょうね。

恐ろしいまでの夫の尽きないためこみ欲求を傍で呆然と眺めるしかできない私はこの先どう生きていくべきなのか日々自分に問いかけています。


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